仏壇の祭り方について <仏壇の祀り方を知りましょう>
日本で仏壇が祀られるようになったのはいつの頃からか知っているでしょうか。
1300年も前、桓武天皇によって始められたと言われています。 法隆寺にある「玉虫厨子」が仏壇のはじまりではないかということです。 始めは貴族など身分の高い人たちが行ってきたものですが、一般庶民が仏壇、位牌を祀るようになったのは江戸時代。 そして現在に至るものなのです。
仏壇にはなにが祀られているのか知っているでしょうか。 仏壇をじっくり見る、という機会がない人も多いかもしれません。
仏壇はご先祖様、ご本尊を祀るものです。 仏壇を購入した際にはご位牌はもちろん、仏具、そしてご本尊を準備することになります。 位牌とご本尊を安置、そして仏具を厳かに美しく飾ることで初めて仏壇としての意味を持つ、というように言われています。
仏壇を購入する際には、宗教宗派によってそれぞれ選ぶものも変わってきてしまいますので、まずは間違わないように購入することが大切です。 そして仏壇の飾り方は宗派によって違ってきます。
まずがご本尊ですが、これは信仰の中心として祭られる仏、菩薩の仏像、または絵像、曼荼羅のことを言います。 宗派によりその祀り方が違うのですが基本的にはほとんどの場合仏壇の真ん中に安置することになります。 より丁寧な祀る場合にはご本尊の両脇に脇侍の仏像、または脇掛と言われる掛軸も安置することになります。
そして位牌ですが、位牌には戒名が記されます。 戒名というのは仏の弟子になりました、ということを表す名前です。 位牌は忌明けの始終九日法要の際に海岸法要をし、それから仏壇に安置することになります。 ですから仏壇は四十九日法要には準備する必要があるのです。
仏壇の中央にはご本尊がありますので、位牌は一段低い場所、その左右に安置します。 向かって右が上座ですので右側からご先祖様の位牌を古い順に並べていくことになります。
そして仏壇といえばさまざまな仏具があります。 仏具で美しく飾る、荘厳といいますが、先に申したようにこのように美しく飾ることで仏壇は意味を持つことになるのです。 しかし仏具はただ飾るだけのものではないのです。
仏具は仏教の教えである「六波羅蜜」を表しています。 水、香、飲食、花、灯明とありますが、水は布施、香は持戒と精進、飲食は禅定、花は忍辱、灯明は智彗。 これら六波羅蜜を実践するという意味でも仏具というものには重要な役割があるのです。
そんな仏具には一番身近な仏具として数珠をはじめ、お茶やお水を備える茶湯器、高杯、仏器膳、仏飯器、香炉、花立、火立、打敷、経机、線香差、リン、木魚、過去帳などがあります。 宗派によっても必要なものは他にもありますし、ここに書かれているものが必ず必要かといえばそうではありません。 最低限必要なものだけをそろえるだけでも十分です。
このようにご本尊があり、そして位牌があり、仏具によって飾られた仏壇は毎日家族みんなで手を合わせる場所になります。 毎日お茶や水を変え、そしてお線香をあげ、話しかけたりするそんな場所になるはずです。 それは昔から今に伝わってきた日本人にとって大切な空間なのです。
|