金仏壇について <豪華絢爛な金仏壇>
仏壇には木材を利用してつくられる、いわゆる唐木仏壇が一般的な仏壇として有名で人気があります。 100年もの歴史がある唐木仏壇とともに、江戸時代からの歴史を持つ仏壇が金仏壇です。
木目を生かした造りの唐木仏壇と対照的で、金仏壇は黒の塗装、金箔、金粉の装飾を施した仏壇で、塗り仏壇とも呼ばれています。
金仏壇は金箔が使われた仏壇ですから、とにかく見た目は豪華です。 蒔絵や彫刻などの古来から続く伝統工芸の技が集約されているもので、経済産業大臣に指定された伝統工芸品とされるものは全国に15の産地があります。 山形仏壇や三条仏壇、長岡仏壇、名古屋仏壇、金沢仏壇広島仏壇、というように金仏壇は全国各地でつくられているのです。 元々の仏壇発祥の地は京都の京仏壇が有名ですが、この地で仏壇づくりを学んだ職人達が全国へ散らばっていったのです。
実はこの金仏壇、各宗派の本山寺院の姿を現しているもので、その宗派によって仏壇の内部のつくりや形には違いがあるのをご存知でしょうか。
浄土真宗を信仰している家に金仏壇が置いてあることが多く見られることから金仏壇は浄土真宗の仏壇だと思っている人がとても多いようですが、これが間違いです。 他の宗派でももちろん利用されていますし、先程言ったように金仏壇は寺院を表したものです。 ですから浄土真宗以外を信仰している人ももちろんこの金仏壇を選ぶことは可能なのです。
浄土真宗を信仰する人に金仏壇を選ぶ人が多いのは、他の宗教では位牌を主とした先祖を祀るという仏壇というものではなく、それぞれの家に阿弥陀如来を礼拝できるための小さな施設という位置づけをしているからだそうですよ。
宗派によって違うつくりだと言いましたが、その産地によっても外観に特徴があります。
金仏壇が完成するまでには長い時間と手間がかかります。 仏壇の外観をつくり、そこへ花や唐草、菩薩や鳥、獣、そして家紋というようなものを彫刻師によって彫られていきます。 その後重要な漆塗りが待っています。 何度も何度もとても丁寧に漆を塗るのは、完成時の仏壇の見栄えに大きな影響を及ぼすからです。 最も重要な作業だとされています。
それから扉や装飾金具などを取り付けられ、最後の仕上げに金粉やいろいろな色を使い蒔絵を描くのです。 そして金箔と丁寧に丁寧に貼り付け、そしてやっと完成に至ります。
金仏壇を選ぶ時にはきっとどんなものがいいのか迷うかもしれません。 もちろん無理をして購入するものではありませんが、金仏壇のように歴史があり、そして豪華な仏壇はとにかく長持ちするでしょう。 後世に残すことを考えるとこの金仏壇はおススメです。
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